俺の息子にスリーパーホールド

雑記をベースにたまに息子とのやりとりを書いていきます。色んなもののレビューも興味あり。

新橋のサラリーマンは侮れない

ここだけの秘密ですが。
巷で噂のヒーローって俺のことなんですよ。
困ってる人を見つけてサクッと助けちゃおうかと思ってですね。

昨日は夜の新橋に行ったんですよ。
SL広場前には有象無象の酔客がいて、見ていても楽しいですよね。
俺も負けじとコンビニでビール買って路上で飲んでたんですよ。
そうすると人だかりが出来始めてですね。
あれっ、フリーハグとか可愛い子がやってんじゃね。
と走って見に行ったんですけど。
まぁ、どこからどうみてもおっさんしかいなくてですね。
よく見るとカメラマンがいるんですよ。
あれっ、テレビ番組じゃね。
と走って見に行ったんですけど。
なんか知らないですが、みんながインタビューに答えてるんですよ。
支持する、支持しない、とか書いてあるプラカードを持ちながら。
俺も俺もって遠巻きに見てたんですが、なかなか出番が回って来なくて。
思い切って言ったんですよ。

すいません、俺ヒーローなんです。

拍手の嵐が止まらなくて、このノリ何なのと怖くなったんですよね。
よっヒーロー、憎いよ。
とか古臭いコールが次々とかかりまして。
何かちょっとした神になった気分でですね。
俺が手を振り上げて、下ろすとみんなが倒れるんですよ。
やられたぁ〜って。
新橋が凄く身近に感じた瞬間でした。

おいっ、誰か困ってる人はいないのか。
いたら助けてやらんでもない。

なんて上から目線で言ったらみんながハイハイ手を挙げるんですよ。
まぁ、最終的にはどうぞどうぞと言われた40代のサラリーマンが選ばれまして。
困っている内容を聞くとですね。
あっ、すいません。
ちょっと喋りすぎたので水貰えますか。
ゴグゴク。
ぷはぁ、生き返ったぞ。
んで、そのマジックハンドを手にした女子高生がですね。
えっ?
間違えました。
その話はまた別の日のことなんですよ。
それもまた傑作でね。
あれは雨の日だったかなぁ。
あっ、分かりました。
あまり時間がないんでしたね。
えぇっと、そうだ。
困っている内容を確認したらですね。
娘が口を聞いてくれないとか言うじゃないですか。
うーん、インパクトにかけるわぁ。
と思いながら適当に相槌を打ってですね。
それはお気の毒に、と棒読みで感想を述べたら泣き出してですね。
こりゃ、ヤバイと思いまして。
新橋でおっさんがおっさんをいじめてる感じになってしまったんですよ。
あっ、喉も潤ったので煙草吸ってもいいですか?
ダメですよね。
んで、何とかこの状況を打破しようとですね。
みんなに問いかけたんですよ、この神である俺が。

何か良い案ある人〜。

そう言ったら、またみんながハイハイ手を挙げてくれたんですよ。
また、どうぞどうぞのくだり?
なんて思ったんですが、泣いてたおっさんがいきなりですね。

オラに元気を分けてくれっ。

とか言い出して。
みんなヘナヘナしてるんですよ。
うわっ、やられた、持ってかれたと思いましたよ。
神の代替わり早ぇって。
嵐のように俺の時代が過ぎ去ってですね。
札束ばら撒いたら、また俺のターンと思ったんですが、手持ちが200円しかなくてですね。
嫉妬っていうんですか。
うわぁ、このままじゃ終われねぇって朝一でこちらに来たんですよ。
つまりですね。
ヒーローと神を両方演じるには金がかかるんですよ。

 


生活保護費、二重取りとかダメですか?
いや、ヒーローと神の分で。